ぼくらのうた



「んじゃお先〜」

「お先〜」


 そう言って4人とも部屋を出ていく…。

 何ソレ…

 てか、何この状況…


「ありえねぇーーーー!!!!」


 ありえねぇー…ありえねー…ありぇ…

 部屋中にあたしの叫び声が木霊する。

 …何か虚しい。


「もぅいいし…ッ!
 完璧にマスターしてやる…っ!」


 あのむかつく光を驚かせてやる!

 春樹のベースを抱えて、メロディを紡ぐ。

 ♪ … ♪♪〜 ♪… ビンッ


「わっ?!…もぉ〜!
 ベースの弾き方知らないのにぃ〜〜ッ!」


 半ベソになりながらも弾き続ける。

 …お、いい感じじゃない…!?


「いーじゃんいーじゃん、すげぇなぁ〜」

「ぅへえっ?!春樹?!」

「ぶ…っ!…ははは!」


 突然吹き出した春樹を待って、数分…。

 てかどんだけツボってんのさ。


「あ〜笑った!…って、やべ…!
 ほら、やるよ」

「…え、アイス?」


 差し出されたのは、コンビニとかで売ってるプリンパフェ。


「お疲れ」


 夕日に照らされた春樹の笑顔はいつもより眩しくて…あたしは俯いた。

 お願いだから…夕日の逆光で、赤くなってるこの顔を隠して…。





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