ぼくらのうた
「悩んでて頭ん中グチャグチャなこと、ぶつけりゃあいいじゃねぇか」
「春樹…」
ぶつけてみる…か。
「ねぇ光。テンポ早いヤツでも作れる?」
「あ?俺を誰だと思っ」
「小ザル」
「ちげぇよ!!」
ビシィッと決まる光のツッコミ。
ナイスツッコミ。
「どんな歌詞が来ようが、光様が歌にしてやるっての!」
自信満々にニヤニヤ笑う。
うん、光なら…大丈夫。
「わかった!じゃあルーズリーフ…って、ないし!
教科書でいいや!」
「え、藍架…ルーズリーフくらい涼があげるよ?ほら」
「涼…聞いてねぇぞ、ソイツ」
「うわぁ…すっごい集中力…」
出だしはこんなで…えぇと…
「でっきたーーー!!!!」
「「「おー!!」」」
パチパチパチと渇いた拍手。
それでもいいんだ。
何か…清々しいから。
「よし、じゃあ…打ち合わせすんぞ。
どこがテンポ早く〜とか言え」