ぼくらのうた



「ム、ムリだって…ッ!
 あたし、カラオケくらいしか…」


 特別上手いってわけでもないし…。

 てか、人前で歌うんだよね!?

 ムリムリ!


「大丈夫!まぁ1節ごと出来たら弾くから、OKとか言って」

「う、うん…」


 あたしがヴォーカル…。

 まおちゃんの目の前で、歌うの…?!

 大して上手くもないのに…!

 ブーイングもらうんじゃ…!!



 そんな新たな悩みも増え、ライブまでの日は過ぎていくのだった…。







―――――







「あーもう明日だよッ!!
 どうしよう?!」

「結構早かったよねぇ〜」

「ああぁ…もう絶対失敗する…!
 先に謝っとく、ごめん」

「まだ当日じゃないのに謝んなよッ!」


 涼と春樹が慰めるように笑いかけてくれる。

 でもさ…ライブなんて…したことないし。

 するとは思わなかったし。


「とりあえず明日が藍架のデビューだな」


 芳斗が手を宙に置く。



< 59 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop