ぼくらのうた
いつもよりテンションが高い光が目配せしてくる。
「藍架でっすッ!
よろしくーッ!」
歓声と拍手が湧く。
「さっそくライブ始めるぜ?
1曲目はー…」
春樹に教え込まれた指使い。
あたしの今回の見せ場は…最後!
それに全部かける。
あの歌のせいでこれからヴォーカルまでしなきゃいけなくなったケド!
最初ら辺はあたしは春樹のアシスト。
だからあんまり出番はない。
ちらりとまおちゃんを見ると、笑ってる。
横にいるのは――お兄さん?
良かったね、まおちゃん…良かったね。
「…さぁー、これでラスト!
そんで藍架のデビュー曲だッ!!」
「聴いて下さいッ!!
『モノクロ世界』…」
芳斗がリズムをとる。
…1、2、3…。
大きく息を吸い込む。