ぼくらのうた
―うっちゃんの正体
「〜…とりあえず事故などに気を付けて健康に過ごすことっ!
んじゃ終わり!」
「さよーならー!!」
挨拶が終わると、みんなすぐに教室を出た。
だって、明日から…夏休み!
「藍架ッ!遊ぼぉね♪」
「もちろんっ☆
大丈夫なときメールするからッ!」
「おっけー!んじゃ今日も頑張ってねー」
「じゃーにー!」
「「じゃーねー!」」
マナもチカも帰って、教室にいるのはあたしと数人のクラスメート。
特に仲良い子たちじゃないし…早く行こ。
光にどやされるのヤだし。
「あ、ねー瀬戸さーん」
「ん?…なに?」
1人に呼ばれて振り返る。
ギャル系の集団が、あたしは苦手だ。
くっさい香水撒き散らしてムダにメイクして。
何になるの?って感じ。
あたしは香水の匂いがダメだし、スッピン派だから。