ぼくらのうた



「何泣きそうな顔してんだよ?」

「な、泣きそうじゃないしッ!」


 覗き込んで来た春樹の目から逃げる。


「俺はどこにも行かねぇから、話せよ」


 その目でそんなこと言われたら…

 あたしは、自分を抑えられない。


「夢で…大切な人がいなくなっちゃっただけだよ」


 ただそれだけ…。


「夏休みなのに暗くってごめんね!
 あ、涼〜!夏休み遊ぼうね〜!!」

「うんっ!!練習も頑張ろぉね!」

「げ〜…てかどこで練習すんの?」

「俺ん家だよ」

「え、春樹ん家?」


 学校じゃなくって…??

 でも春樹ん家行けるんだぁ…♪

 やばっ!ニヤけてきた…!!


「なーにニヤけてんだよ?」


 いきなり覗き込む春樹。

 そのイタズラな笑顔に胸きゅんです!


「ニヤけてないしッ!
 涼と遊ぶ予定考えてたの!」



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