ぼくらのうた

―お調子者の勧誘




 …しまった。

 つい、さっきのうたに感動してここにいたら…

 夜になっていた。


「やばい!学校閉まるじゃん!!」


 大急ぎで用を済ませ、教室に鞄を取りに行く。


「よかった〜教室開いてた…」


 これで閉まってたらどうしようかと思ったよ…。

 でも急がなきゃ!!

 今度は校門が閉まる!!

 怒鳴る先生もいないから軽やかに走って直行ー!

 そしたらまだ間に合うだろうし!

 ―――そのとき、あたししかいない廊下から

 あたし以外の足音が聞こえて


「え…何?」


 ふいに体が止まる。

 暗い廊下の先から足音が―――

 だんだんこっちに近付いてくる。


「や…っ」


 手で耳をふさいで、強く目をつむる。

 ―ドンッ

 何かとぶつかる。


「ぅわっ?!」

「…ひっ…!!」


 ―ドシーン!!


「いったぁ!!何すんのよぅ!!」


 誰かに押し倒されたあたし。



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