【完】君に贈る歌
◇君に触れたくて
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病院に着いた頃にはもう辺りはほとんど暗くなっていた。
携帯を開くと時間も結構いい時間だ。
もしかしたらもう面会時間は過ぎているかもしれない。
「すいません!面会時間はもう過ぎてしまったでしょうか?・・・でもどうしても会いたい人がいるんです。病室に行ってもいいですか?」
「申し訳ありません。おっしゃる通り面会時間は過ぎてます。・・・お見舞いは明日にしてもらえますか?」
受付でそう言われ、俺は少し肩を落とす。
でも俺は諦めなかった。
「5分だけでもいい。お願いします!!」
「・・・そう言われましても」
「お願いします!!」
何度も何度も頭を下げる。
受付の人は少し小声でこう言った。
「・・・そこまで言うなら分かりました。しかしこんなことは普通駄目なので、誰にも言わないでいただけると助かります。・・・本当に大事な用事だと私は判断いたしましたので、どうぞ行ってください」
「・・・あ、ありがとうございます!」
受付の人にもういちど頭を深く下げ、立花のいる病室に急いだ。