【完】君に贈る歌


「桔梗ちゃん?今の子誰なの?お友達?」



親戚の叔母さんが優しく声をかけてきてくれた。


そして寒いだろうからと言って暖かい上着も背中にかけてくれる。



小沢君は友達じゃなくて彼氏。

でももう別れます。


そんな事言えるわけもなく・・・。



私はノートに『分からない』とだけ書いた。


叔母さんは不思議そうな顔で「あらそうなの」と言って私を部屋まで連れて行ってくれた。




今まで私は親戚の家をたらいまわしにされてきて、いつも肩身の狭い思いをしてきたのだけど、ここの人は私を本当の家族の様に思ってくれる。


でもそれが私にとっては申し訳なくていつも遠慮してしまう。



そんな私だったけど、翔太君のおかげで徐々にそんなこともなくなってきていた。










駄目。

・・・翔太君の事は考えないようにしよう。
< 135 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop