【完】君に贈る歌
俺らを祝福するかのように粉雪が舞い降りてきた。
「・・・ホワイト、クリスマス」
「ああ。ホワイトクリスマスだ」
お互いなんだか照れくさくて抱きしめ合ったまま顔を見ない。
だけど、そんなのも少しだけ新鮮で幸せな気持ちになった。
多分俺は今世界で一番幸せだろう。
そんな風に思えたのも、全部立花と出会ったからだと今では思う。
『良かったね。翔太』
ふわりと優しい風が吹き、すぐに止まった。
・・・もしかしたらこの粉雪も、あいつがプレゼントで贈ってくれたのかもしれない。
「聞きたい事いっぱいあるんだ。立花」
「・・・うん」
「言いたい事もいっぱいある」
「・・・うん」
「でも今はこのままでいさせてくれ」
これから先、どうなるかは分からない。
俺らが永遠に一緒にいられるのかも。
だけど、これだけは言える。
どんな事があったとしても、俺は決して立花への愛を忘れないだろう。
『君に贈る歌』が消えない限り。
「今度一緒に歌、歌おうな」
「うん・・・。二人で」
-end-