【完】君に贈る歌
*
「んー・・・?」
目を開けるとそこは見慣れない場所。
白いベッドに周りはカーテンで見えなくなっている。
匂いは少し何かの薬品の香り。
「あら、起きた?」
シャーっとカーテンが開かれ、目の前には白い白衣のようなものを来た女の人が立っていた。
「顔色は悪くないわね。貴方を運んできた子たち呼んでくるわ」
「・・・あ、はい」
状況から把握すると、ここはきっと保健室。
今の人は保健室の先生だろう。
俺はなんで保健室に・・・?
ああ、屋上で立花の歌を聞きながら気を失ったのか。
こんなの初めてだ。
「翔太あああああ!」
勢いよく保健室に入ってきたのは圭介だった。
「大丈夫か!?どこも痛くないか?」
ぺたぺたと俺の体を触ってくる圭介。
俺はその手を思いっきり叩いた。
「痛くないよ。だから触るな」
「俺とか立花ちゃんが呼びかけても全然目覚まさねぇんだもん。焦ったよ」
「ちょっと、あたしもちゃんと呼びかけたんだけど」
そういって高橋が保健室に入ってくる。
その後ろには立花がいた。