【完】君に贈る歌



「お前・・・お前のハンカチが汚くなるだろ!?やめろ!」


「気にしないで?翔太のためだったら汚くなっても大丈夫」






そうだ。


こいつはいつだって、俺のために何かをしてくれた。

言ってくれた。






『はい!これ翔太が休んでた分のノート!』


『元気ないなぁ?あたしが横にいるから元気出せうらうらぁ!』


『おはよ♪そうだ!今日翔太が嫌がってた女の子にびしっと話つけてきたからね!』


『あたしが絶対翔太を幸せにしてみせる!なんっちって笑』


『ねー笑ってよ笑ってよー!笑顔ほしい!』






全て、俺のために。





「馬鹿だろお前・・・」


「翔太のこと大好きだからね!しょうがないしょうがない」


「・・・俺のためだったら何でもしてくれるのか?」


「するする!何かあるの?」




俺は小さな声で呟いた。








「じゃあ死んでくれよ」
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