【完】君に贈る歌
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「立花ちゃーん!!久しぶりぃ!」
「ちょっと!小沢君!桔梗の隣に座ろうとしないでよ!」
「うるせぇなぁ高橋は。少しは立花ちゃんを見習って女の子っぽくおしとやかにな・・・」
「・・・男まさりとでも言いたいわけ?」
「うっわ!怒んなよ!」
再び屋上に集まりだした俺達四人。
きっかけは俺が立花に言ったこの言葉だった。
『立花。俺、お前が・・・好きだ』
あの時立花は、一度だけ俺の腕の中で頷き俺の背中に手をまわしてきた。
嬉しそうな横顔が一瞬見えて苦しくなった事を覚えている。
「よーし!隣ゲット!」
「高橋、圭介どかしてそこ座れ」
「やった♪ほらどいてどいて!」
高橋は遠慮なく圭介の背中を蹴飛ばす。
「そもそもここ最初からあたしの弁当箱あるんだからね!」
蹴られた圭介は高橋を横目で見ながら、俺の腕を引っ張り二人から遠ざけた。
「・・・あ、あのさ。お前俺が立花ちゃん好きだって知ってるよな?」
圭介は俺の耳元でこそこそと聞いてくる。