【完】君に贈る歌
しばらくたって、たくさんのお菓子とジュースを袋いっぱいに抱えた圭介と鼻歌を歌いながら何も持っていない高橋が戻ってきた。
「なんだよその量。しかも菓子まで」
俺が呆れてそう言う。
立花は嬉しそうに、喜んで二人に駆け寄っていく。
「・・・これ一応勉強会なんだけどな」
俺は頭をかきながら立ち上がり、三人に近寄った。
「橘君!息抜きも大事なんだよ!あっこれぜーんぶ小沢君の奢りらしいから、たらふく食べよ!ねっ桔梗♪」
「・・・♪」
「へぇ、太っ腹だな圭介。お前今金って・・・」
俺が話しかける時にはもう圭介は撃沈していた。
空の財布を手にして。
「・・・どんまい。圭介」
そう言って俺は大量の菓子とジュースの山に向き直る。
すると、すぐに復活してきた圭介はファンタのグレープを一気に飲み干した。
「祭りじゃああ!飲め!食え!騒げ!」
どこかの酔っぱらった会社員の様にはしゃぎ始める圭介。
俺は苦笑したが、高橋と立花はけらけら笑っていた。
立花の笑い声を聞いた高橋は嬉しそうにもっと笑い、圭介ももっとおかしくなった。
いつもはハメを外さない俺だったが、今日だけは・・・。
「・・・おい圭介!もっと飲むぞ!!!」
「まかせろって!」