【完】君に贈る歌
「・・・そういえば最近小沢君って桔梗にあまりベタつかなくなったよね」
高橋のいきなりの言葉に圭介が動揺する。
「な、何言ってんだよ!ベタつくって・・・!?俺別に・・・」
「何動揺してんの?小沢君が桔梗を好きだってあたしには・・・!」
「黙れ黙れ!!!」
圭介は高橋の口を抑えるような形になっていた。
立花は意味がもう分かってしまったのか顔が赤くなっている。
その姿を見た圭介はため息をついた。
「はぁ・・・はぁ・・・何すんのよっ!息苦しかった!」
「あっわりぃわりぃ」
「絶対悪いと思ってないでしょ!」
「いや思ってるって!」
「んもー!絶対桔梗をあんたみたいな男にはやらないから!」
「高橋は立花ちゃんの母親かよ・・・」
「ふん!」
そういえば高橋には俺と立花が付き合っている事を言っていなかった。
立花のことだから言っていないだろうし。
・・・別に周りに言いふらす事でもない。
「・・・私」
その時、立花が口を開いた。
圭介は立花が喋るところを見るのが初めてなんだろうか、目を丸くして立花を見つめている。
「私、橘君と・・・。付き合ってるの」