【完】君に贈る歌
「た、立花ちゃん今喋っ・・・」
「うるさい!黙って小沢君!」
「ご、ごめん」
高橋に気迫負けする圭介の姿は少し笑えた。
・・・そんなことよりも今問題なのは立花の言葉。
「桔梗それ本当なの?」
「・・・ホント」
高橋はすぐに俺に近づき顔をぐいっと近づけてきた。
「本当なのね?」
「あ、ああ。顔近いよ高橋」
微塵も気にしてない様子で俺から離れた高橋は、今度は圭介に近づきこう聞いた。
「小沢君も知ってたの?」
「知ってた。・・・だから立花ちゃんの前であんな事言ってほしくなくて。・・・息、苦しかったよなぁ?ごめん」
さっきまでの雰囲気はどこかへいってしまった。
何故か重い雰囲気が辺りを包み込む。
「・・・して・・・って・・・よ」
やっと口を開いた高橋。
だけどよく聞き取れなかった。
「芽衣子ちゃん・・・」
立花が高橋にそう声をかけた瞬間。
「どうして言ってくれなかったのよ!!!!」
高橋はそう大きな声で叫んだ。