【完】君に贈る歌
「・・・桔梗のバカ!小沢君のアホ!橘君のおたんこなすっ!」


「お、おたんこなすってなんだよ。高橋落ち着いて」


「どうして3人は知っててあたしは知らないのよぉっ」



どうやら高橋は俺らに秘密事をされたと思っているようで・・・。



「芽衣子ちゃんっ・・・秘密にしてたわけじゃないの・・・!」


「だったらなんで言ってくれなかったの?桔梗も橘君も!」


「言うタイミングがなかったんだよ。圭介は一応その・・・立花の事好きだったし。立花はあまりこういうの言いそうにないし。俺も別に言うタイプでもない。だから少しタイミングが遅くなっただけで・・・」


「・・・」




高橋は少し落ち着いたのか静かになった。


生温かい風が俺達の頬を撫でる。

遠くの山のセミの声が聞こえるほどの静けさ。



その沈黙を破ったのは高橋だった。




「あたしたち友達だよね?」





高橋のその言葉に立花は笑顔で頷く。


圭介も俺も。



「・・・なら、許す」




そうだ。

俺らはもう友達になったんだ。



いつも一緒にいて笑顔を絶やさない四人組。



今日みたいな事もあるけど、毎日が楽しい。


そんな友達。



・・・友達。
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