【完】君に贈る歌




「翔太・・・おい翔太」


「・・・んー?」


「起きろって。先生そろそろ来るぞ」


「もうそんな時間か」




今俺に声をかけてくれたのは親友の小沢圭介-オザワケイスケ-だ。

親友の姿を確認したと同時に自然とあくびが出てきた。
もう少し起きる時間遅くしてもいいかもしれない。



目をこすりながら辺りの状況を見回す。


「翔太君おっはよぉ!」


「橘く~ん♪」


「翔太くん!!」




圭介についで女子の声が聞こえてきた。


俺は笑顔でおはようと返す。


「・・・ホント翔太は人気だよなぁ。俺だって女の子の一人や二人に声かけられてもいいのにさ・・・」



少し圭介はいじけながらそう言った。

見た目は茶髪にピアスとチャラい印象な圭介だけど、本当は素直でまっすぐな奴だと思う。


言葉には出さないけどな。

調子乗るし。




「ちょっと圭介!あんたと翔太君を一緒にしないでよね」


「橘くんと小沢くんじゃあまったく正反対の見た目だしねぇ」


「チャラチャラ小沢くんがどうして翔太くんの友達なのか分かんない」




女子の言葉に圭介は一層肩を落とした。



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