【完】君に贈る歌
◇君の全て
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ある日の夜。
『なぁ花火大会行こうぜ!』
圭介の誘いの電話がきていつもの四人組で花火大会に行く事になった。
「お前はいつも急なんだよ。もっと早く誘え」
「いいじゃねぇか!ってか立花ちゃんたち遅くね?」
「浴衣着てくるって高橋からメールきてたし、もう少し待てよ」
「浴衣かぁ・・・いいねぇ!立花ちゃん超可愛いだろうなぁ」
「一応俺の彼女なんだからじろじろ見るなよ?」
「分かってます分かってます」
待ち合わせ場所の駅前で俺らは二人を待っていた。
そして、時間から10分ほど遅れて「お待たせ」と言って高橋たちがやってきた。
白色の生地にピンク色の花。
黒いストレートの髪はおだんごになっていて、髪留めでとめてある。
白いうなじが一層映える姿の立花。
「・・・お待たせ」
「・・・おう」
少しだけ直視できず、俺は下を向いた。
「立花ちゃんも可愛いけど高橋もなかなか・・・!」
「ちょっとどこ見てんのよ小沢君のエッチ!」
隣でバッチーンと大きな頬を叩く音が聞こえた。
・・・いつも通りだ。