【完】君に贈る歌
時刻は18時前。
俺はクラスの女子2人男子2人、他校の女子2人男子1人と落ち合った。
「きゃーほんとかっこいい♪」
他校の女子の1人が俺を見て言った。
軽く「ありがとう」と伝え、全員で予約したという店に入った。
中はオシャレな感じで、完全個室に通された。
「じゃあ自己紹介からね♪」
この合コンを主催したと思われる女子が声をあげる。
男子の端から順に自己紹介が始まった。
俺は3番目に自分の名前と一言だけつけたして自己紹介を終えた。
机の反対側に女子4人が座っていて、男子の自己紹介が終わると次は女子たちの自己紹介が始まった。
そんな中、俺の向かい側に座っている女の子にふと目が行く。
他校の女子の1人でさっき俺の事をかっこいいと言ってくれた子だ。
「北山彩加-キタヤマサヤカ-です♪よろしくねん♪」
名前を聞いた瞬間体が震えた。
"さやか"。
その名前はきっとこの日本中に何人もいるだろう。
「・・・」
俺が少し考えごとをしていると、もうとっくに自己紹介は終わっていて席がかわっていていつの間にか俺の隣にいたのはその北山彩加だった。
「橘君のこと噂で聞いてて、今日の合コンに来るって聞いた時はすっごい嬉しかったんだよ♪今彼女いるの~?っていないか!合コン来るくらいだもんね笑」
俺は思わず立花の名前をあげそうになった。
『俺には立花っていう彼女がいる』
慌てて自分の口を抑える。