【完】君に贈る歌

俺は反射的に受け身をとった。

でも不意打ちなのと圭介の力が半端なかった為、俺は腰をついてしまった。



「痛・・・。圭介お前何するんだよ」



圭介は肩で息をしながら俺を殴った自分の右手を見つめていた。


息を整え、右手をすっと下ろしたかと思うと今度は俺に馬乗りになってカッターシャツの襟をものすごい勢いで掴んできた。



「何するってそれは俺の台詞だよ翔太ぁ！！！」


「落ち着けよ圭介！俺が何したって言うんだよ！久しぶりに会ったのに・・・なんだよこれ」


「落ち着け？何した？なんだよこれ？てめぇ本気で言ってんのか！？」



ぐいっと襟元に力が入る。


少し首がしまり息が苦しくなった。


「苦しいって圭介」


「苦しいのはお前じゃねぇ。立花ちゃんだよ！！！」





その言葉を聞いた瞬間俺の頭の中でようやく理解した。




「・・・離せ」


「あ？離すと思ってんのか？」


「・・・いいから」


「うるっせぇ！納得いく説明このままで聞かせろや！」


「・・・離せよ！」





俺と圭介の睨み合いが続く。


お互いの顔は数センチ。




圭介が怒りに満ちている事が伝わってくる。