【完】君に贈る歌



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声が出なくなったおかげで今翔太君に会えてるのに、声さえ出れば翔太君に歌を届けられる。


そう思ってる今の自分が少し嫌い。







・・・あのね?


翔太君が例えもう私の事を好きじゃないとしてもそれでいいの。


幸せになってくれればそれで。

初めてこんな風に思えたのも翔太君が初めて。



それだけ貴方は私に色んなものを与えてくれた。

ありがとう。



だけど、私が翔太君を好きでいるのは許してほしいな。


歌、聞かせてあげられなくてごめんね。

聞いてほしかったけど、翔太君の誕生日までに声戻ってくるか分かんないから・・・。





最後に。


私は怒ってません。

裏切られたとも思ってません。

だから謝らないで。



もしどうしても謝りたいのなら、せめて私の声が戻ってくるまで傍で笑っていてほしいです。




本当にわがままかもしれない。

だけど、最初で最後のお願い。



会いにきてくれてありがとう。




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