【完】君に贈る歌
「手伝わせて?・・・じゃなきゃあたしさ、今居場所がないの。カッコ悪い事に」
「居場所?」
「桔梗と小沢君の二人。全然入り込めないんだ。あたし自身の気持ちに気付いちゃってからは余計に」
「・・・」
「これでも小学校の頃合唱部に入ってたの!結構役に立てると思うよ??」
今のこの状況を作ってしまったのは俺だ。
高橋の窮屈な今の立場もそう。
俺が立花の事を最初から本気でいたなら、状況は違っていただろう。
もしくは立花と圭介が元から一緒になっていたら、少し時間は減るかもしれないが
いつもの四人で一緒にいれたのかもしれない。
全部俺のせい。
だったら、高橋の居場所は俺が作るべきだ。
「・・・ごめん。手伝ってくれ」
これで、少しでも罪滅ぼしができるなら。
「分かった!」
高橋は笑顔で俺に頷いた。