予言と過去
ベッドに並んで腰掛けると、美雪は口を開いた。
「あのね……両親が居て、幸せな私に 言われても、受け留められないかも知れないけど……ちゃんと学校 来て欲しいんだ。愛光にとって お父さんと お母さんが とても大切だったように、私にとっても、愛光は掛け替えの無い存在なんだよ? 愛光が居なきゃ、学校に行く意味が無いんだ。」
「美雪……。」
知らなかった。
美雪、私の事、そんな大事に思っててくれたの?
「……愛光、お婆ちゃんの顔 見た?」
その問いに、首を横に振る。お父さんと お母さんが亡くなってから、私は部屋に閉じ籠るように なってしまって、お婆ちゃんが来ても部屋から出ないから、お婆ちゃんは食事をドアの前に置いて行くように なっていた。
美雪は、私に向き直ると、手を ぎゅっと握って来た。
「お婆ちゃん、とっても やつれてるよ。」
その言葉に、きゅっと胸が縮こまる。
「愛光、お婆ちゃんも愛光と同じで、とっても大切な人を喪ったんだよ? それで愛光が閉じ籠って、笑わなくなって……そしたら お婆ちゃんは愛光すら喪う事に なるんだよ?」
その言葉に、はっとした。
そうだ。
私は、自分の事しか考えてなかった。