予言と過去



お父さんと お母さんが亡くなってから、お婆ちゃんは何を してくれた?



私を安心させようと、微笑んでくれた。



動きたくない筈なのに、毎日 御飯を作ってくれた。



心配して、声を掛けてくれた。



それなのに、私は。



「愛光は、皆に支えらえて生かされてるんだよ? 勿論、天国に居る お父さんと お母さんも、愛光の事、見守ってる。」



美雪の言葉が、胸に ゆっくりと落ちる。



気が付けば、涙が ぽたぽたと零れ落ちていた。



部屋に閉じ籠るように なってから、ずっと流れなかった涙。



凍えていた気持ち。



それが、漸く溶けて、私の頬を濡らした。



「今迄 支えてくれた お婆ちゃんを、今度は愛光が支えてあげなよ。」



その言葉に、うん、と頷く。



いつまでも いつまでも、涙を流し続ける私の肩を、美雪は ずっと抱いていてくれた。


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