予言と過去



名前も知らない君。



痛い思いさせて、
惨めな思いさせて。



御免なさい。



誰よりも期待されて、
誰よりも大切に されていたのに。



あたしは、最低な人だった。
醜い人だった。



力で周りを捻じ伏せて、
居場所を確保した。



許される事の無い罪。



謝ったって、許される事じゃない。



でも、いつか。



いつか あたしが、
本当の意味で強くなったら。



そしたら君に、謝りに行くから。



そして、あたしが君を、
護ってみせるから。



だから、少し、
時間を下さい――。

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