予言と過去



その日から、部屋に閉じ籠るように なった。



お婆ちゃんは お父さんと お母さんの お葬式で忙しくて、私に構っている暇は無かったし、私も私で、お婆ちゃんを手伝う事は しなかった。



ずっと、部屋のベッドの上で膝を抱えて、ぼんやりして1日を過ごした。



お葬式が終わって、お婆ちゃんが忙しくなくなってからも、ずっと、閉じ籠っていた。



お父さん、お母さん。



どうして私を置いてったの?



私は これから、どうやって生きてくの?



疑問は声に ならずに、心の中で消えて行くだけで。



答えてくれる人も居なかった。



窓に掛かったカーテンの隙間から差し込む太陽の光とか、ベランダの柵に止まってる鳥の囀りだとか、外の歩道を走って行く子供達の笑い声だとか。



そう言うもの全てが、鬱陶しかった。



世界は こんなにも輝いているのに。
その世界に私も居る筈なのに。



取り残されたような気が して、私だけが どんどん堕ちて行くような気が して。



でも、何を する気にも なれなくて。















気が付けば、お父さんと お母さんが死んでから、1ヶ月が経っていた。

< 6 / 89 >

この作品をシェア

pagetop