予言と過去
お婆ちゃんが部屋の前を離れて直ぐに、どたどたと五月蝿い足音が聞こえて、部屋のドアが勢い良く開いた。
其処に立っていたのは、久し振りに見る親友だった。
さらさらの黒髪をツインテールに していて、綺麗な瞳が私を真っ直ぐに見つめている。
「愛光、何て格好してんのよ。」
美雪の第一声は、それだった。
「……格好?」
「凄い やつれてる。髪も ぼさぼさだし、くま出来てるし、パジャマよれよれだし。」
そう言いながら歩いて来て、私の隣に勝手に座る。そうして、私の手を握った。
「……元気?」
「……全然。」
「そうだよね……。」
美雪は黙って床を見つめる。
暫くして、美雪は私の目を直視した。
「……愛光、良い加減 学校 来なよ。」
その言葉を聞いた瞬間、私の中で、何かが ぷつんと切れた。
「……何、それ……。」
自分の声が掠れてる。震えてる。
それでも、私は言葉を続けた。