予言と過去
「良い加減って何!? お父さんも お母さんも死んじゃったのに、学校に行けって言うの!? 美雪は良いよね!!」
こんなの駄目だ。八つ当たりだって解ってるのに。
……止まらない。
「お父さんも お母さんも生きてるもんね! 私と違って幸せだもんねっ!!」
「愛光っ、私は そんな つもりじゃ――。」
「五月蝿いっ!! 出てってよっ!!」
怒鳴りながら美雪を部屋の外へ押し出して、ドアを乱暴に閉めた。
「あっ、愛光っ!!」
美雪が部屋に入ろうとして来たから、ドアノブを掴んで抵抗する。暫く揉み合って、美雪は諦めて帰って行った。
ドアの前に座り込んで、嗚咽を漏らす。
信じたくなかった。
美雪なら、大丈夫? 辛かったねって、慰めてくれると思ってた。でも。
――良い加減 学校 来なよ。
私は、サボってるって思われたんだ。
親友にすら、理解して貰えなかった。
私は、独りなんだ……。