彼が彼女を連れてきた~秘めた思い~
無我夢中で家を、飛び出した。

「ルナちゃん!」

「……いいよ、放っておいて」



聞こえた彼の冷たい声と、脳裏に焼き付いた彼女の困った顔。




私は、何をやっているんだろう。

私は、大好きな彼を祝福することも出来なかった……。






そして、私の思いは報われなかった。






「ほら、帰って来た」

「良かった……お帰りルナちゃん」




私の思いは届かない、一生。











だって、



私は


貴方のネコだから――――。




「ルナ、来年には俺と彼女に良く似た、ルナの妹が出来るよ」



……ずっと、好きでした。

結婚、おめでとう。


「にゃー」
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