禁域―秘密の愛―【完】
そして、その日の帰り道。
私は、更に重要な事実を知ることになる。
「ーーー瞳、ごめん!翔季のバカが、親の留守中に高熱だしたみたいで………。
翔季の親にあいつの面倒頼まれたのよ。
一応あんな奴でも、体調悪くなるとどうなるかわかんないし、行ってみる。クレープはまた今度行こう!」
なんだかんだで、愛ちゃん、翔季君のこと気にしてるもんね。
私は、個人的に2人が恋人になればいいと思っている。
だから、今回のような事情はむしろ嬉しい。
「うん。1人でクレープ食べに行こうっと」
そして、巧とも同じクラスになれたので、若干浮ついたようなそんな気分になった。
しかし、巧はというと、すぐさま下校をしてしまった。
早過ぎて、クレープ屋さんに誘う暇もなかったくらいだ。
"また明日な"とは言ってくれたけど………。
最近、巧はまた忙しくなった気がする。
実家の方で何かあったのかな………?