禁域―秘密の愛―【完】
「ご、ごめんね!いくらかな?」
「いいよ、そんなの」
かれんちゃんは、サラリと私の言葉を流すと近くの席に私を促した。
私とかれんちゃんは向かい合わせで座る。
彼女と会うのは久しぶりだった。
藤咲君との件から、私達は本当に仲良くなり、時々言葉を交わしたりしていた。
けれど、最近は滅多にその姿を見なくなって心配していた所だった。
「かれんちゃん………。 全然学校で見ないから心配してたんだよ」
「ああ、それはね。私、しばらく入院してたの。風邪こじらせちゃって。それでまた、体調壊しちゃってね。
新学期から、学校にはなんとか来れるようになったの。進級出来たから良かったまぁ良かったんだけど」
「大丈夫なの………?」
「………心配してくれてるの?」
「当たり前だよ!かれんちゃんは、大事な友達だから、かれんちゃんに何かあったら悲しいよ………」
あんな事をされたけど………、私は変わらず、かれんちゃんが大好きだ。
それはきっと、かれんちゃんが本当は人を傷付けるなんて出来ない子だって分かってるから。