禁域―秘密の愛―【完】


「はぁ………。いい? 瞳ちゃん。 桐谷君の誕生日は、4月20日。

毎年、たくさんの女子がこの日は浮き立ってたじゃない。桐谷君に、プレゼントを渡したいって」

「そんなの知らないよ………」

だって、私が巧を好きになったのはその後だ。

それまでは、巧をただ怖い人だと否定的に見ていた私は、巧と目を合わせようともしなかった。



ーーーと言っても。



「いくら何でも酷いよ。全く………、彼女がそんな状態だと桐谷君、他の女子に取られるよ?
………ほら、私とか?こんなに可愛いし?」

「ーーーへっ!?」

まさか………かれんちゃん、まだ巧に未練があるのかな?

ど、どうしよう。どんな言葉を返せば………。


「アハハッ。瞳ちゃん、驚きすぎだよ!冗談に決まってるでしょ!本当にからかいがいがあるよね!
………蓮も居るし、桐谷君の事はとっくに諦めたよ」

「な、なんだ………」

本当に、かれんちゃんといい、愛ちゃんといいどこまで演技派なんだろう………。

そう思い、私は安堵のため息をついた。


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