ディスオーダー【短編集】

 その重みを感じ取ってから数秒……いや、実際は数分、あるいは数十分と経っていたのかもしれない。

 ふっ……と重みは消えた。

 同時に、金縛りもとけた。

 未だに恐怖を感じていたが、得体の知れない何かが去っていたことを喜び、私はゆっくりと呼吸を繰り返し、安堵の息を吐く。

 今までこんなことはなかったし、もしかしたら昨日、家に何かを引き連れてきてしまったのかもしれない。

 知り合いのお坊さんに見てもらい、何かが憑いていたら祓ってもらおう。

 私は眠りにつこうと、再び目を閉じ──ようとした。
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