ディスオーダー【短編集】
13 → ソイツライコールストレス
 何度も何度も殺すんだ。

 殺しても殺しても湧き出てくるから、僕はそのたびに何度も何度も殺すんだ。

 そうしたらまた湧き出てくるから、僕は〝そいつら〟を何度も何度も──はい、無限ループの出来上がり。


 もう、キリがない。

 これで何回目?

 何十?
 何百?
 何千?
 何万?
 それ以上?

 考えるのも嫌になるくらい、だ。
 僕はもう、疲れたよ。


 ある日、湧き出ててくる〝そいつら〟を無視していたら、気が付いた時には僕の両手は真っ赤に染まっていた。鉄臭い臭いもした。この臭い、知ってる。血だ。

 目の前には肉片が転がっていた。もはやその肉片が誰なのか、なんなのかさえ分からないくらい、ぐちゃぐちゃになっていた。

 〝そいつら〟を無視したからなんだと思うと、申しわけないような、いたたまれないような、変な気持ちになって……──僕はその日、自殺した。

 目を開けると、僕は自殺したその場所の上の方に浮かんでいた。

 幽霊になっていたんだ。
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