ディスオーダー【短編集】
17 → 純白な悪意


 僕のひとりめのお兄ちゃんは、背が小さい。

 僕のふたりめのお兄ちゃんは、背が高い。


 僕のひとりめのお姉ちゃんも、背が高い。

 僕のふたりめのお姉ちゃんは、背が低い。


 母さんは背が小さくて、父さんは背が高い。

 他のみんなはほぼ同じくらい。普通くらい。


 でも、家族の中で1番背が高いのは、この僕だ。


 僕は〝いらない子〟らしい。


 背が1番高いからなのか、そうじゃなくてもいらない子なのかは分からないけれど、とにかく、僕は〝いらない子〟らしい。


 だからみんな、僕を邪魔者扱いする。

 下手をすれば、存在自体を忘れられて、無視される。


 僕はここにいるのに。

 間違いなく、僕はここにいるのに。


 1番、目立つはずなのに、なぜだろう?

 おかしい、ね?

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