ディスオーダー【短編集】
「ユミコ。〝アンタ自身〟がさ、死んでくんね?」
その瞬間、プツンッと。
頭の中にある何かが切れたような音がした。
──交通事故により、バラバラになってしまった私の身体は、特殊な液体が入った水槽の中で生きてきた。
授業を受ける時は、教室の後ろに私が浸かった水槽をおいて、みんなと同じように勉強をする。
そして、生まれる前からずっと一緒だった口や鼻、耳。
事故に遭って身体の1つ1つのパーツに生命が宿った時、当然ビックリはしたけれど、お話ができて……意思疎通ができて、友達ができて、私はとてつもなく嬉しかったんだ。
そんな友達を、あなたは殺した。
耳を精神的に追い詰めて、刃物より鋭い言葉のナイフで殺したんだ。