ディスオーダー【短編集】
22 → 時代遅れ
──気が付くと、小さな箱らしい中にいた。
真っ暗闇で何も見えやしないが、手を伸ばして辺りを触って確かめたところ、私は体育座りの形で小さな箱に押し込まれていることが分かった。
身動きはとれるらしく、少し余裕があるようなのだが、閉じ込められているとなるとこのままジッとなんかしていられない。
私は思い切り壁や天井を叩いた。しかし、ドンドンという音が鳴るだけで、私を閉じ込めている箱自体はびくともしない。
「だれかー!助けてくださーい!」
精一杯、声を張り上げる。
「閉じ込められたみたいなんですー!」
何度も繰り返し声を張り上げてみたものの、外はシンと静まり返って、何も聞こえない。何も返ってこない。
まさか。
周りには誰もいないのだろうか?
私は今、どこにいるのだろうか?