ディスオーダー【短編集】
23 → 無視

「おはよー!」


 今日は教室に入るのと同時に挨拶をしてみたけれど、案の定、みんなは返事をしない。だれもがみんな、私のことを無視する。

 昨日はわざわざひとりひとりの前まで行って挨拶をしたけれど、誰ひとりとして返事を寄越してくれなかった。

 一昨日はわざわざ放送室に入って、校内放送で元気よく挨拶をしたけれど、やっぱり誰も返事を寄越さなかった。

 その前の日は──忘れた。
 でも無視された。それだけは覚えてる。


「あははは!んもう!みんなったら!やだなぁ、毎日毎日飽きずに私のことを無視して……!さすがに……ちょっと、悲しくなってきたなぁ……」


 だんだんと声量が小さくなっていく。強がって大きな声を出してみたけれど、それさえも誰も気にとめないようだった。

 毎度のことながら、やっぱり悲しいもの悲しいな。

 私は肩をガックシと落とし、自分の机へと向かう。


 ……どうもしなくとも、私はみんなから一丸となってイジメなるものを受けているらしい。

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