ディスオーダー【短編集】
24 → 隣の死神くん
アイツがこっちに転校してきてからだ、俺の周りの奴らが、次々と死ぬようになっていったのは。
最初はニコニコと微笑みながら接していた女子生徒も、友達になろうと近付いていった男子生徒も、次第に不気味に思いはじめて……ついに近付かなくさえなった。
もちろん、俺も近付かないでいる。
……まあ、俺の場合、転校初日から〝もともと〟近付かなかったけど。友達になろうという気も起きなかったどころか、ソイツのことに興味すら湧かなかったし。
こんな秋が終わろうという時期に転校してきたりして、今からどう仲良くすればいいのか分からないし、時なんてあっという間に過ぎて、卒業したらお別れだし……。
とにかく、そういうワケがあって、今じゃアイツはいつもヒトリだ。転校してきてから次々と死人が出た手前、アイツは今じゃ〝死神〟なんてあだ名が付けられ、密かにみんなからそう呼ばれている。
……皆からあからさまに避けられてヒソヒソと話し合われているから、本人もそのことに気付いているとは思うけど。
可哀想なやつだな、とは思うが。
別に、それだけだ。
それ以上の感情は、ない。
そして、その噂の死神くんはというと──不運と言ったらいいのか、俺の隣の席だ。
死神くんが転校してきたせいで人が次々と死んでいくにしても、その原因や理論などは分からないし、俺は隣の席ながらもまだこうして生きているわけだし……。
──そもそもの話、本当に死神くんのせいでみんなが死んでいくのか、よく分からないし。
死神くんのせいだ!なんて、頭ごなしのそういう決め付けはよくないとは思いつつも、なんやかんやで俺も色々な理由を建前に近付かないタチだからなぁ……。
ははは。
説得力は、無いわな。