ディスオーダー【短編集】
25 → 荒廃した世界の隅で

 荒廃した世界。
 辺りは一面、砂漠で。
 いくら歩けど、そこは砂地帯。

 ところどころ砂から顔をだす人間の建造物は、かつての面影を残しちゃいない。

 ……はて、どれくらい、歩いていたのだろう?

 歩き疲れた僕は、砂地から顔をだす人間の建造物にそっと腰をかけ、身を休めた。

 食料も水も、もう残り少ない。

 どうして、世界は荒廃して誰もが砂に埋もれて死んでいったというのに……何もかもが砂に埋もれて壊れてしまったというのに、僕だけが生き延びてしまったのだろう?

 ……いや、まだ僕〝だけ〟が生き延びていると決め付けるのには早い、のかな?

 分からないや。けど、他に誰かが生きているって希望を持つくらいは……いいよね?

 ……さて。
 また歩きださなくちゃ。

 僕が行動しなければ、現状は何も変わらないのだから。



 (──今までずっと行動していたけど、何も変わらなかったのに?)

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