ディスオーダー【短編集】
 ――そういえば、私にこの小説を紹介してすすめてくれた友達が、行方不明になったらしい。忽然と姿“だけ”を消したらしい。


 なんらかの嫌な事件に巻き込まれたのだろうが?それとも、まさか……。


 まさか……な?


 なんにしろ、無事でいてくれるといいのだが……。心配でたまらない。


 あっ、そういえば警察の方が、「携帯が残されていたのだが、ディスプレイには何かの小説を読み終えたところらしく、“END.”と書かれた文章が表示されていた」と言っていた。


 ……私が今読んでいるこの小説も、話の終わりには“END.”と表記されていたが、やっぱり、まさか……。


 もし仮に私の予想が当たっているのだとしたら、私も友達と同じように行方不明になるのかもしれない。


 死ぬのかもしれない。


 でも、そうだとしても、話の続きが気になって気になって、読むことをやめられない。


 この話を読み終えたら何が待っている?


 この話の結末はどうなっている?


 気になって気になって、読むことを放棄できない。続きを。私に話の続きを。私に話の結末を。この話を読み終えたなら、私はどうなっ








END.
< 99 / 100 >

この作品をシェア

pagetop