こちら、なんでも屋でございます【2】
「…っ」
レインは深い眠りから目を覚ました。
目の前は真っ暗でよく見えない。
しかも、両手足を縛られてて身動きが取れない。
「んっー、んー」
口まで塞がれている。
「目が覚めた?」
何処からともなく男は現れた。
顔ははっきりと見えないがそいつからは嫌なオーラが出ているのはみて分かった。
「ごめんね、手荒な真似をして」
「…」
「喋りたい?」
「…」
レインはコクリと頷いた。
男はレインの口を塞いでいたタオルを取った。
「……お前は誰だ」
「俺?俺の正体はまだ秘密。」
「お前が犯人か?」
「あはははっ!単刀直入だね。ま、でも正解かな。」
「なぜあんなことをする。」
「そんなの簡単。人間が…大嫌いだから。あ、でも強いて言うなら人間の痛がる顔や嫌がる顔は好きかな~」
「悪趣味め」
「それを言うならお前もだろう?人間に化け、それをいい事に人間の役に立とうとする善人ぶってもすぐわかる悪党」
「…っ」
「お前はさ、憐れな人間に同情でもしてるの?」
「違う…っ」
「名前はレイン。職業はなんでも屋。そんな肩書、お前みたいな大物が必要ないだろう?」
「何が…言いたい」
「とぼけんなよレイン。あ、間違えた。お前の本当の名は…ルシファー」