こちら、なんでも屋でございます【2】



「え?あ、…はい、マキちゃんなら今…」
『あ、そうですか。ありがとうございます』


電話の相手はマキちゃんのお父さんだった。
話によるとマキちゃんを学校まで迎えに行こうと思ったとか。
それで確認の電話をしてきたのだ。
すれ違いというヤツだ。


「あの、マキちゃんを追いかけますので学校の校門で待っていただければ連れて来ましょうか?」
『あ、ぜひそうしてくれませんか?姉の方も迎えなければならないので』
「はい、では」


ガチャッ


私は椅子にかぶせていたカーディガンを羽織り再び校門へ向かう。
そしてマキちゃんが走って行った方向へ私も走りだす。


「ハァッ…ハァッ」


それほど遠くへは行ってないはずだ。


「マキちゃ~ん!!マキちゃーん!!」


思いっきりお腹から声を出す。
まるでやまびこの如く私の声が響き渡ってゆく。




その時




「うぎゃあああああああああああっ!!!!」




近くで誰かの悲鳴が聞こえた。




それと同時に何かを潰す音も聞こえた。




ぐじゅっ
ぎちゅっ



「うぎゃあぁっ……ひぎぃっ」


苦しむ声も鮮明に耳に入ってきた。



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