こちら、なんでも屋でございます【2】
少女は“ある”匂いを頼りにこの裏路地に来た。
「……ここで途切れてる」
レインからもらったハンカチの匂いを確かめる。
しかし、レインの匂いはここで一時的に無くなっているのは確かだ。
「……」
地面に薄らと付いている血が目に入る。
少女はそれを手で擦った。
「…乾いてる…って当然か」
多分この血はレインのモノだ。
そう考えるとレインは何者かにここで頭を殴られその衝撃で流血した。
では…一体レインは何処へ?
「!?」
その時、背後に何者かの気配を感じ取った。
それと同時に頬を何かがかすめた。
セシルの真っ白な頬からツーっと血が伝った。
「お見事」
「…」
「反射神経が優れた女の子だね?」
「……」
コイツから…微かだかレインの匂いが漂ってきた。
間違いない。
コイツはレインを監禁してる殺人鬼だ。
「でも、死んで」
「…」
男の攻撃を軽々とよけると
パチンッ
セシルは指を鳴らす。
「!?」
「お前の相手は式神様」
「やるねぇ~……っ」
セシルの回りを囲む“式神様”が一斉に男に襲いかかる。