こちら、なんでも屋でございます【2】
008


「いいですか?俺のさっきの指示通りに動いてくださいね」
「は、ハイッ」
「では…」
「あ、あのっ」
「はい?」
「……ありがとうございます。こんな根拠のない話を信じて下さって」
「なんでも屋ですから」
「頼もしいですね、綺羅さんって」
「え?」
「きっと綺羅さんの彼女さんは大切にされているんですね」
「……彼女は今、遠くに行ってるんです」
「そう、ですか…」



里香さんは薄らと頬笑み、闇の中に消えて行った。
それから数秒経って里香さんを追いかける。
多分そこまで離れていないと思う。

しかし、何処にも見当たらない。
懐中電灯を照らしても何処にもいない。
何故だ?襲われたのなら悲鳴をあげろって言ってるし…


「里香さん!?里香さん!!!!」



声を荒らげ彼女の名前を呼ぶ。
しかし、応答はない。
まさか…捕まったのか??
ありえない、いくら気配を消したとしても…俺にバレずにいくとか無理だろう。




「ひっかかった~♪」





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