こちら、なんでも屋でございます【2】
メフィストフェレスと兄さんが勢いよく空へ舞い上がった。
白と黒の戦い。
真っ白い翼と真っ黒な翼がひらひら舞い降りてきた。
これが…最強同士の戦い。
上空で何が起こっているのかは計り知れない。ってか知っても意味ない。
さぁて…僕の仕事はこれからかな??
「セシル、レインを気絶させて」
「うん」
「なるべく強い衝撃を与えてね」
「うん」
セシルが消え去った。
「八神沙羅…さん?貴方は一体何者なのかしら??貴方の潜在能力だけは感知不可能なのよねぇ…ね、貴方も何かしらの天使なんでしょう??」
「八神家は代々天使の血筋。ま、僕も天使の一人なんだけど…兄さんには劣るかな」
「劣るですって?…貴方は綺羅より地上最強の悪魔の天敵だと思うけど??」
「じゃあ、特別におバカなレインさんに教えてあげよっか」
「…」
「ま、でもとりあえずそれは…“レイン”さんに戻ってからね?」
「!?」
ゴンッ!!!
「ルシファーともあろうものが…人っ子一人の気配も感知できないとか…世界は理不尽だねぇ」
「…ッ」
「ま、君の中にはまだ反抗するレインさんの感情が残っていて身体が言うことを聞かない時がある、そうだろう?」
「…何故ッ」
「今楽にしてあげるよ…レインさん。そしてサヨウナラルシファー」
「うぎゃああああああああああああああああっ!!!!」
レインの頭を鷲掴みにしていた手から、真っ白い光が解き放たれる。
それは瞬きなしには凝視出来ないほど。
しばらくすると、レインさんの力なく倒れた。