こちら、なんでも屋でございます【2】
「―――というわけなんです」
「あの、ここは交番とか警察署ではないんですよ。犯人探しなら警察にお任せした方が…」
「警察は!!警察は和美を見放したんですっ!!」
「と、いいますと?」
「和美は…、ただ刺されて死んだんではないんです……和美は…本当は、うっ」
「母さん、無理すんな。俺が話すから」
隣に座っていた高校生ぐらいの男が口を開いた。
「和美姉さんは、両手足を切断され内臓をすべて無くなった状態で死んでたんです。」
「!?」
「世間的には、通り魔事件でおさめられていますが一部では計画的な猟奇殺人として言われています、姉さんもその事件に巻き込まれた被害者なんです!どうか!お願いします!」
「しかし、ここは探偵事務所ってわけでも…」
「頼まれたことは何でもしてくれるんですよね?」
「うっ」
男は勝ち誇った笑みを見せる。
すると突如レインが立ち上がる。
「犯人探しになら協力しましょう。犯人はこちらで処理します」
低く落ち着いた声。
でも、綺羅には分かった。
“レインは動揺している”
「では、依頼額はざっと160万円でよろしいですか?」
「は、はい……っ」
綺羅は不敵な笑みを見せた。
そしてレインはいつも通り溜息をつく…