14歳、掲示物での恋。
塾に行って、掲示物を見ても、あの人からは何も書かれていない。
最後の文字は公立受験頑張ると書いたあの人への返事。
ーー“頑張って下さい”
彼は、これを見ることはあっただろうか。
たった一行のやり取りが始まった時は、まだ外も雪景色で。
でも、その景色も今は違う。
雪は溶けてきて、道路は水溜りがあちこちある。
春が来る。
春になったら、同じ学校に通うことも、同じ塾に来ることも、ない。
それに寂しさを感じながら、掲示物の私の文字を消す。
ーーあぁ、私、彼に惹かれてたんだ。
そんな想いを抱きながら。