14歳、掲示物での恋。




塾に行って、掲示物を見ても、あの人からは何も書かれていない。
最後の文字は公立受験頑張ると書いたあの人への返事。

ーー“頑張って下さい”

彼は、これを見ることはあっただろうか。



たった一行のやり取りが始まった時は、まだ外も雪景色で。
でも、その景色も今は違う。
雪は溶けてきて、道路は水溜りがあちこちある。

春が来る。


春になったら、同じ学校に通うことも、同じ塾に来ることも、ない。
それに寂しさを感じながら、掲示物の私の文字を消す。


ーーあぁ、私、彼に惹かれてたんだ。

そんな想いを抱きながら。

< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop