大切なきみに
シーンと静まった空気。
れんが口を開いた。
「お前に美咲ちゃんと子供を守る気持ちがあれば、お前自身が必死に働いて稼ぐ気持ちがあれば
それだけで父親になれんじゃねーのかよ」
りょうは泣いていた。
太郎も泣いていた。
まゆも私も泣いた。
れんは‥下を向いていた
暑い暑い8月下旬
私たちは15歳の無力さと責任の重み
そして一つの命に
何時間も何時間も
時間を忘れて
泣き続けていた‥
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